特別支援

発達障害への配慮はわがままという誤解

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いつもご覧いただきありがとうございます。

 

最近の教育現場や家庭を見ていると、発達障害に対する理解や支援の考えが少しずつ広まってきているとは感じますが、

「我慢させることで成長できる」

「我慢しないのはわがままだ」

という考えが根強く残っているのも事実です。

 

そこで、今回は発達障害への配慮はわがままなのか?ということにスポットを当てていきます。

 

目次

発達障害への配慮はわがままではない!

まず、結論から述べますが、発達障害の子供に対する配慮はわがままではありません。

これは声を大にして伝えたいところです。

 

発達障害の子は怠けているわけでもさぼっているわけでもありません。

やろうと思っても、脳機能の障害のためにうまくいかない(できない)ことがあるのです。

 

この部分をどれだけ理解できるか、というところがポイントになるのでしょう。

恐らく、前文に書いた我慢信者はこの脳機能の障害のためにうまくいかないという点を理解できていないものと思われます。

 

この問題については、他の例を用いて考えることですんなり理解してもらえる場合があります。

 

例えば、目の悪い子。

本人は必死になって見ようとしていますが、どう頑張ってもブレたりぼやけたりして見えないことがあります。

 

それについて、「お前は見ようとしていないだけだ!もっとちゃんと見ろ!」という人はいませんよね?

 

目の悪い子に対しては、「見えないなら仕方がない。メガネを使うといいよ。」と言って、すんなり認めてあげています。

 

発達障害の子供にとっては、構造化や刺激の調整などが、まさにこのメガネに当たるのです。

 

まずはこの点をしっかりと押さえておくことが必要だと思います。

 

困難と障壁をはき違えている

発達障害の子供はコミュニケーションが不得手であることや、こだわり行動があること、見通しをもつことの苦手さなどから非常にトラブルに遭遇しやすいです。

 

余計なトラブルに遭遇させるくらいなら、最初から予防してトラブルを避けた方が当然よいです。

 

ここでも、「人は困難を乗り越えて成長するんだ。」と熱く語る人がいるでしょうが、困難と障壁をはき違えていると言えます。

 

困難とは、成し遂げるのが難しいことで、例えば「野球でホームランを打てるようになる」「速い球を投げる」といったことが挙げられます。

 

対して、障壁とは、「正常な進行や活動を妨げるもの」です。

配慮なくスタートラインに立たされている発達障害の子は、そもそも正常な進行や活動をできる状態ではないので、その時点で困難ではなく障壁なのです。

 

つまり、視力の悪い子にメガネをかけさせずにテストを解かせたり、聴力の低い子に補聴器等をつけさせずに討論させるのと同じということです。

 

脳機能の障害がある子に対して、その処理が正常に行えるよう配慮してみんなと同じスタートラインに立たせてあげるのは、当然の配慮だと思いませんか?

 

我慢→トラブル→自己肯定感の低下という負のスパイラル

発達障害の子に無理やり我慢させた場合、どんな展開が待っているのでしょうか。

 

まず、間違いなく自己肯定感が低下します。

 

無理もありません。

 

我慢させればうまくいかず、ほぼ確実にトラブルにつながるのですから。

トラブルになった場合、ハッピーエンドになることはほとんどありませんね。

 

必ず相手から注意なり指導なりを受けることになります。

結果として、「また怒られた」「何をやってもうまくいかない」となり、自己肯定感が低下してしまうのです。

 

そして、その経験が積み重なってしまうと、「人生なんてつまんない」「みんないなくなればいい」「どうせできないから反抗してやろう」といった、反社会的な行動や自暴自棄な行動をとる、いわゆる二次障害につながりかねません。

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そうならないためにも、不要な我慢は極力排除するようにしましょう。

 


 

本来、我慢はポジティブなもの

そもそも、我慢とは本来ポジティブな目標に対して用いられるものです。

 

例えば、「運動会でリレーの選手になりたいから、辛いけど我慢してたくさん走りこむ」といったものや、「野球で良い成績を残したいから、手にマメができても我慢して素振りをする」などが挙げられます。

 

つまり、ポジティブな目標を達成するための手段(厳しいトレーニング、反復練習など)を支えるものとして存在するのが我慢なのです。

 

これは友達関係でも同じです。

「友達と楽しく遊ぶために、自分の欲望に折り合いをつける」ことが我慢です。

その結果、みんなで楽しく遊ぶことができた、というように結果はポジティブになるものです。

 

そうではなく、ただ理不尽な状況を耐え忍ぶためだけに抑えつけているのであれば、それは本来の我慢ではなく抑圧です。

 

抑圧で良い結果につながることはありません。

 

日々、何気なく見過ごしてしまいがちですが、子供たちが今我慢して取り組んでいることは本当に我慢なのか?ということを見直してみる必要があるかもしれませんね。

 

トラブルを事前に防ぐ方法とは?

では、実際にトラブルを防ぐためにどのようなことができるのでしょうか。

例を挙げるとキリがありませんが、代表的なものをいくつか例示します。

 

家庭でできる方法

・朝の支度としてやるべきことをホワイトボードに書いておき、いつでも確認できるようにする。

・同様に、「学校から帰ってきたとき」「夜寝る前」と、それぞれやることを色分けして見えるようにしておくことで、見通しをもてるようにする。

・おもちゃや文房具などは片付けやすいように、箱の中(あるいは外)に、片付けた状態の写真を貼っておき、片付け方が分かるようにする。

・ご飯の時にはテレビを消す、あるいは音を極力小さくするなど、目の前のものに集中できるよう刺激を減らす。

・遊びやゲーム、勉強をするときなど、それぞれ視覚的に分かりやすいタイマーを設置し、時間を見て分かるようにする。

 

学校でできる方法

・教室前方の掲示物を極力減らし、黒板(あるいは先生)に注目できるようにする。

・静かな学習環境を用意し、話に耳を傾けられるようにする。(必要がなければ、エアーポンプ等が必要になる水槽を使った生き物の飼育などはおすすめしません。また、音の出る時計や空調機器も刺激となる場合があります。)

・毎日の予定を決めた場所に掲示し、変更があった場合には赤字で訂正することで見通しをもてるようにする。

・生活のルールを明確にし、いつでもだれでも確認できるようにする。

 

ざっと挙げただけでも家庭、学校ともに様々な方法がありました。

もちろん、まだまだ数えきれないほど方法はあります。

 

大切なのは、目の前の子供に対して、「何が一番効果的か?」を考えて実践すること。

発達障害の支援に対するテクニック集などもありますが、本に書いてあったから、ネットで見つけたからと闇雲に取り組んでしまってはかえって逆効果になる場合もあります。

 

何か手段を講じる時には、「この方法を実践した場合、うちの子(あるいはクラスの〇さん)はどんな反応を示し、どういう影響があるかな?」ということをシミュレーションしてから実行するようにしましょう。

 

どんどんメガネを配っていこう

配慮をすることで子供が安心して生活を送ったり学習に取り組んだりすることができるのであれば、それはどんどん進めていくべきです。

 

そして、その子がうまくいったときにはたくさん認めてあげることが大切です。

 

そうすることで自己肯定感と次の学習への意欲を高めることができます。

 

その方が、無理に我慢を強いるより、よっぽど有意義で有効な手立てだと思いませんか?

 

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退勤定時マン@とき
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【定時退勤と授業力・教員のQOL向上を実現させるブログ】教師に特化したお金の話や教育に関する情報を発信していきます。定時退勤は目的ではなく手段。豊かな教員ライフの第一歩を踏み出しましょう!ICT活用や働き方改革、学級経営、授業改善から資産運用まで、教師に関わる情報を幅広く取り上げています。

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