継次処理か同時処理か?今までの学習方法は無意味だった!?徹底解説!
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漢字をひたすら空書き(目の前に指を出して書くこと)して覚える。
覚えるまで何度も何度もひたすら書き取り訓練を繰り返す・・・。
家庭で、学校で、こんな風に漢字を学習しているお子さんはいないでしょうか?
これ、はっきり言ってとてつもなく時間の無駄になっているかもしれません!!
実は、情報の処理の仕方には、「継次処理」と「同時処理」という二つの方法があり、どちらが優位かによってそれぞれ適した学習方法があるのです。
それを無視して、「できるまでやり続けなさい!」と言っているのは時代遅れかもしれません・・・。
目次
「継次処理」と「同時処理」という2通りの認知処理の仕方
情報の処理の仕方には、「認知処理」と「同時処理」の二つがあると書きましたが、大体の人は、概ねどちらもバランスよく使いながら情報を処理しています。
しかし、発達障害をもつ子供などは、この情報処理の仕方がどちらかに偏っている場合が多く見受けられるのです。
発達障害をもつ子供は「努力が足りない」と言われがちですが、決してそんなことはなく、情報処理が本人に適していないためにうまく情報が入っていかない場合も多々あるのです。
この2つの処理の仕方について理解し、目の前の子供に合った方法で接することで、「宿題がなかなか進まない。」「漢字をなかなか覚えられない。」といった学習に関することから、「家でやるべきことを全然やらない。」などの家庭での悩みまで一気に解決することもあるのです。
継次処理と同時処理の違いとは?
継次処理と同時処理の違いとはいったい何なのでしょうか?
その違いとは、名前の通り「一つずつ処理するか、まとめて処理するか」の違いです。
継次処理は物事を一つずつ処理するのが得意です。
目の前のやるべきことに集中し、一つ一つ確実にこなしていくこ
と処理の仕方です。
対して、同時処理は物事の全体を捉えることが得意です。
全体を俯瞰した後に、それらとつながりをもっている枝葉に視点を向けていくのです。
それぞれの特徴について、もう少し詳しく見てみましょう。
継次処理は目の前のことに猪突猛進!
継次処理の得意なことは一つずつ物事を処理することです。
しかし、裏を返すと、目の前の物事に集中しすぎたり、細部にこだわってしまったりすると、いつまでも先に進めなくなってしまう困難さがあるのです。
こう書かれると、「ああ、確かに!」と思い当たる節がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
とにかく目の前の問題に納得することができないと、前に進めなくなってしまうのですね。
なので、継次処理が優位な子供と接するときには、「こうだからこうなの!」という説明ではなく、本人が納得できるように話してあげる必要があります。
また、継次処理が優位な子供は耳からの情報に強い傾向があります。
それは、耳から入ってくる情報(音声)は、比較的継次的であることに由来しているからです。
分かりやすい例えとして、カーナビの案内が挙げられます。
継次処理優勢の場合、カーナビの地図によるルート案内よりも、音声によるガイドの方が理解しやすいのです。
カーナビの案内では、
②まもなく左方向です。
③左です。
④およそ2km先、右方向です。
というように、一つずつ案内されますよね?
このように一つずつ情報が入ってくると、継次処理優勢の場合、スムーズに処理することができるのです。
反対に、地図のルート案内図などを見ても、いまいち繋がりが分からず混乱してしまうのです。
継次処理優位の場合、一つずつ物事を積み上げていき、結果としてゴールにたどり着くことが多いのです。
考え方としては帰納的に近いといえますね。
つまり、継次処理優位の子供と接するときには、
①分かりやすく(納得できるように)
②シンプルに(短く)
③一つずつ
話をすることが有効です。
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同時処理は結果ありき!まず全体を見ないと始まらない!
同時処理は先ほどの継次処理と表裏の関係にあります。
継次処理は一つずつ物事を積み重ねていった結果、答えにたどり着くというタイプでしたが、同時処理はまず結果ありきです。
そのため、クイズや問題などで、「この答えは何だと思う~~~?」みたいな焦らしをとても嫌います。
彼らはまず答えがほしいのです。
同時処理の子供たちには、「この答えは〇〇なんだけど、どうして〇〇なんだと思う?」と尋ねるのがGoodです。
これも地図を例にすると分かりやすいです。
子供の前に地図を広げて、
問「ゴールは東京駅なんだけど、どうやって行くのが一番早いと思う?」
このように聞くと、同時処理優位な子供たちは目を輝かせて考え始めます。
反対に、
問「最初はこの道をまっすぐ。次はここで左に曲がる。その次は右に曲がる。更に…。すると、どこに着くかな?」
この手の問題はお手上げです。
情報が処理できなくなり考えることをやめてしまうのです。
とにかく結果が分かってないとスッキリしないのが同時処理優位です。
全体を見て、それぞれの繋がりや関係を見出す力に優れていますが、細部への注意がおろそかになり、うっかりミスをすることもあります。
もしも、お子さんが、(何でこんなところでこんなミス?)と思うようなところがあったら、少しこのことを思い出してみると何かの役に立つかもしれません。
全体を捉える力に長けているので、継次処理とは対照的に、目で見て情報を処理する能力が高いです。
耳からの情報は、じれったくなることが多いです。
つまり、同時処理優位の子供と接するときには、
①まず結論から
②全体⇒細部へ
③耳よりも目に訴える情報提示を
心がけることで、今までよりもスムーズに物事が進むようになるはずです。
継次処理、同時処理それぞれの強みを生かした接し方が大切!
ここまで、継次処理、同時処理それぞれの特徴や違いについて話をしてきましたが、どちらが優れているとか劣っているというものではありません。
単純に情報の処理の仕方に違いがあるだけです。
大切なことは、周りにいる大人が子供の優位性を把握し、その子供の処理方法に適した方法で接することです。
同時処理優位の子に漢字の書き順を一画ずつ完璧に覚えるまで訓練するのは効率的ではありません。
また、継次処理が優位な子供に、図をたっぷり使って説明しても、何が何だか全く分からないのです。
このことは、意外に知られてなく、
子供=図を使えばいい
発達障害=図を使えばいい
という極端な視覚提示信仰に陥っている状況をよく目にします。
これは非常に危険な考え方です。
何かと視覚提示が有効だと叫ばれがちですが、一人一人特性は違うのです。
視覚提示が有効な子供もいれば、聴覚指示が有効な子供もいます。
方策に溺れて短絡的に考えるのではなく、目の前の子供に合った接し方を心がけていきたいものですね。
今度は、それぞれの処理方法に応じた学習指導の方法や、日常生活の過ごし方のコツについて記事を更新していきます。
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