【学校】授業前後の号令、やめてみませんか?
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「学校あるある」という話が出るほど、学校という社会は特殊です。
これだけ科学や文明が発展した現代においても、「何となく続いているから」という理由で、根拠や意図の感じられないルールが根付いているのが学校です。
もはや誰も何の疑問も抱かずに見過ごしている学校のルールですが、見直してみることで子供が良い方向へと変わるきっかけになることも多いものです。
今一度、立ち止まってルールを確認してみませんか?
目次
毎時間のあいさつ、本当にいりますか?
毎時間、授業の始めにかけられる号令。
日直の子がハキハキとした声でみんなに声をかけます。
「きをつけ!・・・Aくん手を止めてください。」
しかし、Aくんはなかなか落ち着きません。
「・・・Aくん。・・・ねぇ!Aくん!」
しまいには周りの子たちからも注意され、授業開始前からAくんは不機嫌になり、集中して授業を受けることができませんでした。
この光景、経験したことも見たことある方も多いのではないでしょうか。
毎時間のあいさつ、何となく誰も何も疑問をもたずに行っていると思いますが、そもそも一体何のためにあるのでしょうか?
毎時間あいさつの問題点とは?
先ほどの例で出したように、落ち着けない子がいた場合に、この方法の問題点が浮き彫りになります。
落ち着けない子(正確には動いている方が落ち着ける子、ですが)は号令の時に気を付けをするのが苦手です。
これはADHD傾向のお子さんであれば仕方のないことです。
しかし、日直の子供はピシっとした号令をしなければ、という責任感で何度も何度もその子に注意します。
だんだんと言葉が強くなり、しまいには周りも同調してその子を責めることになってしまいます。
さらに、たくさん注意をするということはそれだけ時間が奪われるということです。
小学校では1コマの授業は45分しかありません。
そんなことに時間を割いていてはもったいないのです。
また、何度も注意された子は自己肯定感が低下します。
みんなから責められ、「あいさつもできないやつ」というレッテルを貼られ、いやな目で見られます。
そうなると、その子はクラスに居場所を無くし、更に反抗することでしか、自分の存在を主張できなくなってしまうのです。
形だけのあいさつにこだわってしまうと、このような悪循環を招いてしまう可能性があるのです。
あいさつはメリハリをつけて集中するため
号令をかける、ということからも毎時間のあいさつをする意味は、メリハリをつけるためだと思っています。
休み時間、遊びや読書など、それぞれ思い思いの過ごし方をしていた子供たちが、同じ方向を向いて学習に取り組むための準備として号令があるのでしょう。
確かに、休み時間の雰囲気のままスタートすると学習に集中できない、という問題はあるかもしれません。
そういった意味で、メリハリをつけることは大切だといえます。
あいさつ以外の方法でもよい?
メリハリをつけることが大切ならば、あいさつでなくてもいいのではないでしょうか?
あいさつは手段であって目的はメリハリをつけること。
いつの間にか、あいつさつをすること自体が目的にすり替わってしまってはいないでしょうか?
メリハリをつけるのであれば、開始時間になったら1分間ドリルを解くことをルールにするということや、フラッシュカードに取り組むなど、できることはたくさんあります。
1分間と時間を決めることで時間を大きくロスすることはありませんし、時間内に始めればOK、というルールにすれば準備が遅い子供に対してもゆとりをもたせることができます。
そして、1分経ったらキッカリで終わりにしそのままの流れで授業に入るのです。
これだけでも、メリハリをつけて授業に取り組むことができるでしょう。
1分間で集中できるミニワークについては、以下の本で詳しく紹介されていますので、興味のある方は一度手に取ってご覧になることをおすすめします。
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あいさつ自体は大切
ここまで読んで勘違いしないでいただきたいのは、「あいさつ自体は大切である」ということです。
朝の登校時のあいさつ、食事前のあいさつ、下校時のあいさつなど、日常生活や社会生活に結びつくあいさつはぜひ大切にしていただきたいものです。
ただし、意図や意味が感じられず、ただ習慣として続けているあいさつや、あいさつをすることが目的になっている場合などは見直しが必要でしょう。
あいさつをするなら・・・
そうはいっても突然変化を起こすことが難しいのが学校の実情ですよね。
であれば、まずは小さな変化から起こしてみませんか?
あいさつをする場合、以下の2つの方法を取ってみることをおすすめします。
1:先生が号令をかける
号令はほぼ全てのクラスで日直がやっていると思いますが、日直がやる必然性はありません。
であれば、先生がとっとと号令をかけ、授業を始めてしまうというのも一つの手です。
そうすることで、余計な時間を使わなくてすむし、注意の回数も減らすことができます。
2:注意は先生がする
もし、子供に号令をかけさせる場合は、注意するのは先生、というルールを決めてしまうのです。
子供同士の不必要な言い合いや責め合いをなくすことができます。
ただし、クラスや学年によっては、お互いに注意しあうことで成長できる場合もあるので、そういったメリットをなくしてしまうという面はあります。
意味のある教育活動を!
学校生活の中の指導は、教師が明確な意図と目的をもって行う必要があります。
「何となく昔からやっているから」に流されない感覚がこれからの時代には求められていくでしょう。
自分のクラスで取り組んでいる、あるいは定着している活動はどんな意味や目的があるのか、今一度見直してみると新たな発見があるかもしれません。
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