マイナスの言葉を教えることでトラブルを減らす!
スポンサーリンク
何か嫌なことをされると「死ね!」
ドッヂボールで当たっても「死ね!」
何かにつけて「死ね」とか「クソ」という乱暴な言葉のオンパレードでトラブルを起こす子供を見たことがありませんか?
そんな子供たちには、正しい感情表現の言葉を教えることで、グッとトラブルが減ることがあります。
マイナスの言葉の使い方、考えてみませんか?
目次
何に対しても「死ね」しか言えない子供たち
最近の子供たちを見ていると、嫌なことが起きた時に、すぐに「死ね」という言葉をいう子が多いなあと感じます。
ちょっと言い合いになると「は?死ねよ。」と言ったり、少し嫌なことがあっただけで、「ふざけんなよ。死ね!」と相手を罵倒したり。
「死ね」という言葉を言われた相手は激怒し大喧嘩に発展することも。
そもそも、ちょっと言い合いになったり、少し嫌なことがあったりしただけで、「死ね」というワードを使う必要があるのでしょうか。
実は、このようにすぐに「死ね」を連呼する子供たちの中には、「死ね」しか言えない子供たちが存在するのです。
語彙不足による未熟な感情表現
なぜ、死ねばかりの表現になってしまうのか。
それは他の表現を知らないからです。
自分の気持ちを適切に表現できる言葉をもっていない、ということです。
(感情を表現するプラス言葉とマイナス言葉のイメージ)
そうなると、自分が知っている限られた言葉の中でのマイナス表現を使わざるを得ません。
「死ね」という言葉しか知らない子は、「死ね」という言葉に頼るしかないのです。
これにはいくつかの原因が考えられます。
一つ目は、単純な語彙不足。
読書量が少ない、コミュニケーションの経験が少ないなど、言葉に触れる機会が少なかったことにより、様々な表現をするための言葉を獲得できていないケースです。
そして、もう一つは、大人のせいです。
我々大人は、子供がマイナス言葉を使うことを抑制しようとします。
「めんどくさい」「クソ」「いやだなぁ」「やりたくない」など、ネガティブな表現と捉えられる言葉を子供が言うと、「そんなこと言うんじゃない!」と注意する大人はたくさんいます。
子供は、その注意によって、マイナス言葉を学習する機会を失い、自分の中の言葉の引き出しを増やすことができないのです。
大人は良い言葉(プラス言葉)ばかり教えてマイナスの言葉を封印しようとします。
しかし、人間の感情にはプラスとマイナスの両方があります。
プラスの言葉を教えることはもちろん大事ですが、マイナスの言葉も「正しく」教えることで、自分の感情のコントロールを助けてくれる味方になってくれるのです。
この二つの原因、どちらの場合でも、適切に言葉を学ぶことによって問題を解決に導くことができます。
マイナスの言葉を学ぼう!
マイナスの言葉を学ぶことで、自分の感情を適切にコントロールすることができるようになります。
ここでは、2つの学び方について紹介します。
知識習得型
学校の勉強のように座学でマイナスの言葉を学ぶ方法です。
絵本の読み聞かせや挿絵の表情などから気持ちを考えることを通してマイナスの言葉を学習していきます。
以下に紹介する「きもち」という絵本は、何でも一言で片づけてしまうお子さん向けに様々な感情表現について書かれたもので、今回の記事の内容にもぴったり当てはまるのでおすすめです。
また、「ことば絵じてん」や「感情カード」「表情カード」などの道具を使って、それぞれの表現や気持ちについて想像したり学習したりすることも有効でしょう。
OFF-JT型の学習では、子供が冷静に学習に取り組むことができますので、知識として身に付けさせたい場合に効果的な手法になります。
絵本などから表現を学ぶことによって、自然と生活でも使えるようになることを目指した学び方といえます。
実践型
実践型の方法は、実際の生活を通してマイナス言葉の獲得を目指すものです。
例えば、ドッヂボールをして遊んでいるAくん。
相手のボールに当たった時に、「クソ!死ね!」と連呼しています。
そこで、Aくんを呼び止めて話を聞くようにします。
!!死ね!
上記はあくまで一例ですが、このような関わりを通してマイナスの言葉を獲得させていきます。
大切なポイントとして、
・まずは子供の気持ちを受け入れること
(もっとやっていたかった)
・言葉と行為の裏側にある思いを確かめること
(どうして死ねって言ったの?→どうして当たったら死ねっていうの?)
・マイナス言葉で表現し直してあげること
(当たっちゃって「悔しかった」んだね)
・教えてくれた子供に感謝すること
(教えてくれてありがとう)
・正しい表現を教え込まないこと
×悔しいっていうんだよ。言ってごらん!
この流れを意識することで、子供は少しずつ適切なマイナス言葉が使えるようになります。
悔しい、むかつく、悲しい、がっかり、イライラ、恥ずかしいなど、ほとんどの感情も、同じような方法で学習させていくことが可能です。
なお、知識習得型と実践型には優劣があるわけではなく、お子さんによって学びやすい方法を選んだり、両方をバランスよく組み合わせて学習することが大切です。
私が子供と学習する場合には、知識習得型の絵本などでマイナスの言葉について学習した後、実践型で実際に使えているか確認します。
そして、使えた場合にはうんと褒め、使えなかった場合には上記の例の流れで確認し、「なんかあの絵本にもそんなことあったかも」くらいの濁し方で子供に思い出させるようにしています。
まとめ
マイナスな言葉を正しく学ぶ、ということについて目を向ける人は意外と少ないです。
ですが、マイナス言葉を正しく使えるようになることで、
何か嫌なことをされた時→「悲しかった」「辛かった」「イライラした」
ドッヂボールで当たった時→「悔しかった」「痛かった」
というように、自分の感情を適切に表現できるようになるのです。
自分の感情を表現できることは、自分を冷静に客観視することにもつながります。
その結果、落ち着きを取り戻し、トラブルを未然に防ぐことができるようになるのです。
また、相手に対しても正しく気持ちを伝えることができるので、そういった意味でもトラブルを防ぐことができます。
「死ね」と言われた相手は「何クソ!」となってやり返しにいき、トラブルになりますが、「悲しかった」と言われると、「次があるから頑張れよ」とか「今回は残念だったね」とコミュニケーションになります。
マイナス言葉を正しく使う力は、トラブルをコミュニケーションへと改善させる力でもあるのです。
スポンサーリンク