小学校あるある!「シャーペン禁止」の謎を解く!
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小学校あるあるの代表的なものとして、「シャーペン禁止」があります。
これは、実際に体験した方も多いのではないでしょうか。
本日は、学校でシャーペンが禁止されている理由とそれに対する考察をしていきたいと思います。
果たして、シャーペン禁止は本当に理にかなっているものなのか、それともただの悪しき伝統なのか。
クラスや学校で決まりをどのようにするか迷っている先生や、文房具の決まりについて納得いっていない保護者の方の参考になればと思います。
目次
シャーペン禁止を三つの切り口で紐解く!
シャーペン禁止問題は、以下の3つの切り口に分けることができます。
・物理的側面
・学習的側面
・精神的側面
それぞれの切り口にそって考えてみましょう。
物理的側面
紛失しやすい
えんぴつと比べると、シャーペンはパーツが多いです。
鉛筆は本体とせいぜいキャップがあるくらいで1~2パーツです。
対してシャーペンはどうでしょうか。
本体は2~3つに分解することができますし、キャップや消しゴムまで入れると4~5パーツになります。
更に、シャーペンの芯とケースを入れると、圧倒的にモノの数は増えることになります。
つまり、それだけ紛失するリスクが高まるということです。
また、1つ1つのパーツが小さいので見つけにくいです。
授業中にシャーペンのパーツを失くしたという事態が起こると、その子の気が逸れるのはもちろん、場合によってはクラス全体を巻き込んで探し物をするなんていうことにもなりかねません。
すると、授業全体に悪影響を及ぼすことになってしまうので、それを未然に防ぐためにシャーペン自体を禁止しているという理論です。
正直、この理論には納得できるところも多いです。
物の管理が十分に身に付いていない低学年の児童がシャーペンを使うと、この傾向は顕著です。
高学年であっても、いじるのに夢中になっている間になくした、なんて姿を見かけることがあります。
壊れやすい
えんぴつは故意に真っ二つに折ることを除いて、ほとんど壊れることがありません。
芯が折れても、鉛筆削りで削ればすぐに使用できるようになります。
一方、シャーペンは壊れるとやっかいです。
芯詰まりやバネの異常などが起きると、ほとんどの場合、分解しないと直りません。
また、分解したところで正しく調整、修復作業ができないと再び使えなくなる可能性もあります。
更に、作業には時間がかかる場合もあり、授業を聞いている片手間でやるというのは困難です。
その結果、シャーペンに集中してしまい、授業の内容が入ってこない、という事態に陥ってしまいます。
また、自分で直せるならまだ良いかもしれませんが、自分で直すことができず、かつ、シャーペンしか筆記具を持ってきていない場合、先生にお願いすることで授業を止めてしまうこともあります。
他の子に借りるにしても迷惑がかかりますし、本人にとっても周りにとってもあまりいい結果とはいえない事態になる可能性があるということです。
これも、前述した「紛失しやすい」と同様、納得できる考え方だと思います。
確かにシャーペンが壊れて芯詰まりやバネの調整が必要な場合に、一人であっさりと直せる子供は少ないと感じます。
授業から気が逸れてしまう要因をできるだけ排除して集中できるように環境を整えるという意味では、シャーペン禁止も一理あると言えるかもしれませんね。
学習的側面
筆記が安定しない
シャーペン禁止問題としてよく語られるのがこの筆記の問題です。
とりわけ「筆圧」についてよく議論になります。
どのような議論かというと、シャーペンでは筆圧の調整が難しいので字がうまくかけなかったり、疲れやすくなったりするという内容です。
確かに、筆圧の調整がある程度できる子どもでないと、書字の面で問題が生じてきます。
筆圧が強すぎる子の場合は、書くたびにシャーペンの芯がバキバキ折れてしまい、文章を書くどころではなくなってしまいます。
逆に、筆圧が弱すぎる子の場合、お化け文字のように、ひょろひょろと細長く薄い文字になり、友達が先生が読む際に大変読みにくい文字になってしまいます。
鉛筆の場合、多少の個人差はありますが、シャーペンほど極端な問題になることは少ないです。
そのような観点から、シャーペンを禁止にしているところもあるようです。
「とめ」や「はらい」が表現しにくいから
続いての理由は、漢字の「とめ」や「はらい」が表現しにくいからという理由です。
確かに、シャーペンよりも鉛筆の方が細かいとめやはらいは表現しやすいです。
恐らく、学校側も漢字テストの際などに〇か×かの微妙な判断に頭を抱えたところもあるのでしょう。
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ただし、これを理由にシャーペンを禁止にするのは少し納得できない部分があります。
というのも、昨今、手書き漢字に関しては「細かい部分の違いは許容される」という方針になっています。
この問題については、文化庁が公式で発表しています。
常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)について(別窓が開きます)
なので、漢字テストでは大まかな骨組みが合っていれば細かいとめやはらいの違いについては許容して〇にしてよい、ということになります。
これは意外と現場の先生でも知らない人が多いので、もしかしたらこの記事をお読みの保護者の方でお子さんが細かい間違いで×をもらったと納得いかない方もいるかもしれません。
しっかりと根拠がある内容なので、細かいとめやはらいの違いで抗議された場合、先生はその非を認め改めるしかありません。
最新の教育情報を取り入れていない先生は、未だに重箱の隅をつつくようにチェックしている人もいると思います。
少し話が逸れましたが、多少のとめははらいの違いは許容されるので、シャーペンを使って分かりにくくなったからといって全く問題はありません。
この理由に関しては、教師の一方的な都合によるものと解釈できますので、賛同できないということになります。
精神的側面
持ってない人もいるからダメ
学校というのは「みんなと違うことはダメ」ということを特に強調したがるところがあります。
学校という性質上、致し方ない部分もあるのでしょうが、筆記用具、それも特別高価でもないものに対して言われてしまうと何とも言えない残念な気持ちになります・・・。
参考までに、鉛筆は1本あたり約25円~50円程度で販売されていることが多いです。
対してシャーペンは、最安値のものが80~120円前後で販売されています。
確かに、鉛筆の方が格安感はありますが、だからといってシャーペンがめちゃくちゃ高価というわけではありません。
1本1万円するものをもってきて、リスクの高さから禁止するのはまだ分かりますが、それほど金額に差がないシャーペンを「持ってない人もいるから」「買えない人もいるから」と禁止にするのは何だかしこりが残ります。
これを理由に禁止といわれても、納得できないというのが正直なところではないでしょうか。
シャーペン禁止は理由によっては一理あり。ただし、根拠のある説明を!
物理面、学習面、精神面の3つの切り口からシャーペン禁止について紐解いてみました。
内容によっては、(特に物理面)納得できる理由のものもありましたが、正直それだけを理由に一律禁止、と言われると何だか腑に落ちないというのが正直なところです。
どうしても禁止にするというクラスの決まりを貫くのであれば、保護者会や学級通信等でその理由を根拠とともに説明してほしいですね。
例えば、低学年(1~3年)の場合、持ち物管理が十分にできていない児童が多いことから紛失・盗難・故障のリスクを訴え、一律禁止としてルールにする、という説明があればある程度納得できると思います。
また、低学年のうちは筆圧の調整が未熟な場合も多いので、それを理由に鉛筆を推奨するのも納得できるでしょう。ただ、これだけを理由にシャーペン禁止というのは人によっては違和感を覚えそうではあります。
いずれにせよ、禁止にする場合には客観的に納得できる、明確な根拠と理由を用意したうえで禁止するようにしましょう。
そうでないと、なぜ禁止なのか納得できず、不信感につながる可能性があります。
基本は家庭に任せてOK。ただし、自己責任で。
私の考えとしては、基本的には家庭の判断に任せて良いと思います。
ただし、低学年の場合は物理的、学習的側面から「鉛筆を推奨します」ということは伝えます。
高学年の場合は、完全に個人の判断に任せます。
ですが、持ってきたことによって生じたトラブルには、自分で対処することを大前提とするように伝えます。
なので、授業中にシャーペンをずっといじってれば注意しますし、筆圧が弱くて読みにくい字であれば直しもするでしょう。
また、壊れた場合には、授業中は取り合わないかもしれません。
そういったことも含め、自分で管理できるのであれば、全く何かを言う必要はないと考えます。
ただ、おすすめとしては緊急用に鉛筆を持っておくといい、というくらいの助言はするでしょう。
この機会に、学校の先生も保護者の方も、筆記具との向き合い方を一度考え直してみてはいかがでしょうか?
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