子供の食べず嫌いを克服する三つの仕掛け
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親「食べてみたらおいしいから一口食べてごらん。」
子「やだ!絶対食べない!」
親「そんなこと言わずにおいしいから・・・。」
子「食べないもん!」
こんな風に、食べず嫌いの子供に無理やり食べさせようとして押し問答になっている姿をよく見かけます。
親としては、食べてみたらおいしいから良かれと思って接しているのでしょうが、これでは逆効果です。
実は、子供の食べず嫌いを克服するためには、たった一つの簡単な方法があるのです。
しかも、この方法は食べず嫌いだけではなく、読書嫌いなど、他の「〇〇嫌い」にも効果があるのです。
目次
食べず嫌いには食べたくなる仕掛けをしよう
食べず嫌いを克服するたった一つの方法。
それは、「食べたくなる仕掛け」をすることです。
親が無理やり食べさせるのではなく、子供が自分から「食べたいなぁ」と思うように導くことが大切なのです。
食べたくて、食べたくて我慢できなくって、食べちゃった。
という状況を作ってあげればよいのです。
仕掛け① 周囲の大人がおいしそうに食べること。
「食べたくなる仕掛け」をするためにはどうすればよいのか。
一つ目の仕掛けは、周りにいる大人が「おいしそうに食べること。」
たったこれだけです。
よく思い出してみてください。
グルメバ番組でリポーターがおいしそうに食べている姿を。
見ているだけで食べたくなってきますよね?
また、子供の頃、親がおいしそうにお酒を飲んでいる姿を見て、「自分も飲んでみたいなぁ。」と思ったことはありませんか?
あれと同じ仕掛けを利用しているのです。
人は、誰か他人がおいしそうに食べているものを見ると、自分もそれを食べたくなるのです。
「最初は食べたくないと思ったけど、お母さんもお父さんも何だかすごくおいしそうに食べているし、ちょっと食べてみたくなってきたかも・・・。」
子供の心にこういう思いを芽生えさせればこの仕掛けの効果はバッチリです。
仕掛け② あえて与えないことで渇望を生み出す。
次の仕掛けは、「あえて与えない」ことです。
今、お子さんはお母さん、お父さんがおいしそうに食べている姿を見て、少し興味がわいてきています。
ここで「食べてみる?」と聞いて食べる子供であれば、食わず嫌いレベルはまだまだ低いです。
本当に食わず嫌いな子供はこの程度では動じません。
少し食べたいな、という思いがあっても、「これは食べないと決めたんだ。」という思いが勝っていますので、まだ手を付けないことでしょう。
そんな子供に対して、「あえて与えない」という仕掛けを行うのです。
「食べたくないって言ってるし、これはお母さんとお父さんのだから食べちゃダメだからね。いいかい。これはお母さんとお父さんが楽しみにしていたものだから、お前は食べちゃダメだよ。ふふふ。」
という感じで大人たちが独り占めしたい、ということを伝えるのです。
このときに厳しく叱るように言ってはいけません。
あくまで優しく、柔らかく、そして独り占めできることが本当に嬉しいことのように伝えることが大切です。
そうすることで、子供には「あんなに嬉しそうに言うなんて。それに自分だけ食べられないなんていやだな。何だかうらやましい・・・。」
という思いが膨らんでいきます。
今まで見向きもしなかった食べず嫌いの食べ物に対して、少しずつ、食べてみたいという渇望が生まれてくるのです。
仕掛け③ 子供の前に見えるように残しておき、親はその場を離れる
さぁ、いよいよ仕上げです。
ここまでの仕掛け①と仕掛け②で子供の心には食べてみたいという思いがどんどんと膨らんできています。
しかし、自分で食べないと若干ムキになりながら主張したため、みんながいるところで「食べさせて。」とお願いするのはちょっと気まずい感じがしているのです。
そこで、親は十分にその食べ物を楽しんだ後は、「あぁ、すごくおいしかった。」という一言を置き土産に、満足気にその場を離れるのです。
このときに、片付け忘れたかのように、さり気なくテーブルにその食べ物を置いておくのです。
子供の手の届く位置、よく見える位置に。
すると、親がその場を離れて戻ってこないことを確認した後、子供は動き始めます。
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まるで、深夜に真っ暗なキッチンでお菓子を食べる子供のようにこっそりと、そして、ワクワクしながらその食べ物に手を伸ばすのです。
スリルとワクワクで子供は普段より心の高揚を感じながら、あれだけ食べないと嫌っていた食べ物を食すことに喜びを感じる瞬間です。
ここまでくれば、食べず嫌いはもう克服したも同然。
次の機会からは何事もなかったかのように食卓に並べ、親も食べず嫌いなんてまるでなかったかのように自然にふるまってあげることで、その食べ物は子供の好きな食べ物リストの仲間入りをしていることでしょう。
事例紹介:焼きそばの食べず嫌いを克服
続いて、実際にあった例で、この仕掛けがどのように活用できているか見てみましょう。
お子さんは4歳の男の子。(仮名:りょうくん)
何でもよく食べる元気な子でうどんやラーメンなどの麺類が大好き。
しかしある日、お母さんが焼きそばを食卓に出すと態度が急変。
「絶対に食べない!」
と頑なに食べることを拒否するりょうくん。
どうやら、今までの麺類は全て乳白色~薄い黄色だったのに、濃いソース色をしている麺に強い抵抗感を感じてしまったようです。
※このように、普段と違う色や形などをしている食べ物に対しては、食べず嫌いが生じやすいです。
ここでお母さんは無理やり食べさせるのではなく仕掛けを実行。
「じゃあ食べなくていいよ~。お母さん大好きだからもらっちゃお!嬉し~。」
と食べ始めるお母さん。
りょうくんは予想とは違うお母さんの対応にきょとんとしています。
更に、「りょうくんはいらないって言ったからお母さんぜんぶ食べちゃお~。」
と仕掛け②を実行します。
少し悲しげな様子を浮かべながら羨ましそうに焼きそばを見つめるりょうくん。
「あ、洗濯物しまうの忘れてた!今から取り込んでくるから待っててね。」
と言ってその場から離れるお母さん。仕掛け③の実行です。
さぁ、りょうくんは待ってましたと言わんばかりに焼きそばに近づきます。
少しソワソワしながらお母さんが戻ってこないか確認します。
そして、しばらくは大丈夫そうであることを確認して一口。
何とも言えない嬉しそうな顔をしています。
無事に食べず嫌いを克服しました。
その後、お母さんが戻ってくると素知らぬ顔をしていたりょうくんですが、その口元にソースの跡が。
それ以来、りょうくんは焼きそばが大好きになったそうです。
応用事例:読書嫌いを克服した女の子
続いて紹介するのは、同じ仕掛けを用いて読書嫌いを克服した女の子(仮名:りなちゃん)のお話です。
冒頭でも書きましたが、この仕掛けは「〇〇嫌い」と言われる多くのものに対応できるのです。
今まで本を読むのが好きになれず、全く本を読んでこなかったりなちゃん。
そこでお父さんはりなちゃんにこう言いました。
「いいかい。パパの部屋は書斎と言って、たくさんの本があるんだ。だからパパはそこで本を読むことが大好きなんだよ。でも、絶対にその部屋に入って本を読んではいけないよ。いいかい、絶対だからね。」
そうりなちゃんに伝えると、りなちゃんはその書斎に入りたくてたまらなくなりました。
そして、その夜、お父さんは誰よりも早く眠りについたそうです。
すると、お父さんが寝たのを確認したりなちゃんは、早速お父さんの書斎に入り、本を読み漁ったそうです。
それ以来、りなちゃんは本を読むことが大好きになったとのことでした。
このりなちゃんの例のように、食べ物だけでなく、読書や運動など、「〇〇嫌い」と呼ばれるものに対しては幅広く応用が利くのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ただ押すだけでは難しい「〇〇嫌い」。
昔から言われている言葉にあるように、まさに「押してだめなら引いてみろ」ということなのです。
親や教師が無理やり押し付けるのではなく、子供が自ら取り組みたくなるような環境づくりに努めていきたいものですね。
また、もしもアレルギーや誤嚥の恐れがあるものについては、この限りではなく、いつでも駆けつけられるようにする、別の方法を試すなど、子供の安全を第一に考えて取り組んでみてください。
仕掛け① 親がおいしそうに食べる姿を見せる。
仕掛け② あえて与えない。
仕掛け③ 誰もいない場所で、一人で楽しむ機会を作る。
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