レジリエンスが高い人にある3つの共通点とは?
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さて、前回の記事では、レジリエンスを高めることを通して「しなやかな心」を育てることの大切さについて説明しました。
レジリエンスの概要についても書いていますので、まだご覧になっていない方は一度お目通しいただけると、この先の話がスムーズに理解できるかと思います。
今日は、レジリエンスを構成する「3つの要素」について説明し、レジリエンスがある人の特徴をまとめていきます。
レジリエンスが高い人にある3つの共通点を知って、育てるべき要素を明確にしていきましょう!
目次
3つの共通点とは?
レジリエンスが高い人には共通する3つの特徴があります。
中部大学の小塩真司を中心とする研究(小塩真司・中谷素之・金子一史・長峰伸治:「ネガティブな出来事からの立ち直りを導く心理的特性-精神的回復力尺度の作成」、2002)によって示されています。
どのような特徴かというと、
・新奇性追求
・感情調整
・肯定的な未来志向
の3つの要素が高い、ということです。
以下の図のように、これらの要素が合わさって「レジリエンス」という力を構成しているのです。
それぞれの要素について説明を加えていきます。
①新奇性追求
新奇性追求とは、一言でいうならば新しいことを求める気持ちです。
この要素が高いと、未知のことや未体験のことに興味や関心をもち、果敢に取り組むチャレンジ精神が生まれてきます。
何事にも意欲的にチャレンジする主体性につながっていく要素です。
逆に、この要素が低い場合、自分の知っている枠の中だけでの生活を好み、極端な保守的姿勢になりがちです。
他者とのかかわりや未知との遭遇をさける傾向があります。
②感情調整
自分の気持ちや感情をコントロールする力です。
イライラしてきたときに深呼吸をして気持ちを落ち着かせたり、自然の中を散歩して気分転換をしたりすることで感情の調整を行います。
この要素が高いと、自分の本心とは合致していなくても、周りの雰囲気に合わせた行動をとったり、自分のストレス状況に応じて適切な気分転換をしたりすることができるようになります。
気持ちの波が穏やかで、自分の気分によって仕事やプライベートに影響を及ぼすことが少なくなります。
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逆に、この要素が低い場合、一時の感情に流されて本来の目的を見失った行動をとったり、場の雰囲気を壊してしまうような行動をとってしまうことがあります。
ADHD傾向のある人も、この感情調整の要素が低いことが多いです。
③肯定的な未来志向
将来に対して肯定的な考え方をすることができる力です。
楽観的や明るい怠慢的な態度とは異なり、未来に向かって明るい希望をもち、そのために努力できる力のことをいいます。
この要素が高いと、将来に対して希望をもち、様々な事柄に対して努力することができるようになります。
例えば、辛く厳しい受験勉強であっても、その先の合格を信じてポジティブに頑張ったり粘り強く取り組んだりすることなどが挙げられます。
逆に、この要素が低い場合、将来に悲観的、あるいは諦めの姿勢を示すことが多いです。
「やってもむだ」「将来役に立たない」などの理由で勉強に取り組まないなど、否定的な考え方に陥りがちで、希望を見出しにくくなってしまいます。
発達障害の特性が見られる児童や成人が、その特性から失敗経験を繰り返してしまった場合、この要素が極端に低いことがあります。
それぞれの要素をバランス良く育てることが大切
上記で紹介した3つの要素をバランスよく育むことが、レジリエンスを高めるための手立てとなります。
家庭や学校、友達とのかかわりの中でこれらの特徴を身に付けたり、伸ばしたりしていき、逆境の中でも自分を見失わない力を育てていきましょう。
具体的な育て方については、次記事以降でご紹介していきます。
レジリエンスは「ガマン」ではない
ちなみに、一つだけ注意していただきたいので、レジリエンス=ガマンではない、ということです。
前記事でも紹介していますが、レジリエンスの高い心とは、折れたり曲がったりしても再び伸びていくことができるしなやかな心です。
どれだけ叩かれても折れたり曲がったりしない我慢強い心ではありません。
我慢には限界があり、その我慢強さをどれだけ高めたところでレジリエンスの高い人にはなれないのです。
そこをはき違えてしまうと、せっかくの手立てが台無しになってしまうので、注意して丁寧にお子さんと接してくださいね。
(あとがき)
「勉強なんか将来役に立たないからやらなくてもいい!」
こう考える子供はいつの時代にもいますよね。
確かに、学んだことそれ自体は使うことはあまりないかもしれません。
(私も世界史の知識とか日本史の知識とかクイズ以外で使いませんし・・・)
答えは一つではないと思いますが、簡単に私なりの考えを・・・。
でも、その知識を得る過程で培った「学習の方法」こそが勉強をする意味だと考えています。
例えば、世界史を知識として獲得するためには、それぞれの時代や国の関係を縦と横の線で考えなければなりません。
この縦と横の線でつないで考える、という力は将来社会に出た時に必ず役に立ちます。
会社で企画を出すときに、それまでの取り組みや各年における背景(縦)と他社とのかかわり及び関係先との連携等(横)について考えることができていないとよい企画とはみなされません。
また、それが分かっていても適切に表現できる文章力や話し方がなっていないと相手に伝わりません。
そう考えると、学校で勉強したことはどれも無駄ではないのです。
ここでは書ききれないので、いつか記事にしたいと思います。
ただ、小学生段階ではあまり効果がないかもしれませんが、中学生~高校生くらいにはこのあたりのことを上手に説明してあげることも大切ではないかな、と考えることもあります。
「何のために勉強するのか」
いつの時代になっても消えない疑問の一つですね。
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