子供が発達障害と言われたら最初にやるべき2つのこととは?

目安時間:約 22分

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みなさんこんにちは。
いつもご覧いただきありがとうございます。
 
今日は基本に立ち返って記事を書きたいと思います。
 
学校等から、お子さんの気になるところを指摘され、医療機関を受診したところ発達障害と診断されたもののどうしたらいいのか分からない、、、。
 
このような悩みをもつ保護者の方から多くお問い合わせをいただいています。
 
そこで、今日はまず何から始めればいいのか?できることは何か?ということについてお伝えしていきます。
まず始めるべきことは、「支援の環境作り」と「正しい知識を身に付ける」この2つです!
 

支援の環境作り

 
まず初めに心に留めておいていただきたいことがあります。
それは、「発達障害と診断されたのはゴールではなくスタートである」ということです。
 
多くの保護者の方が、「発達障害と診断されました。これからお先真っ暗です・・・。」と嘆いているのですが、実はそうではありません。
 
発達障害と診断を受けたそこから、「じゃあこの先どうしていこうか。」というスタートになるのです。
 
そして、そのスタートに合わせて、どんな環境を用意してあげることができるか考えるようにしましょう。
このときに大切な視点は、「子供を環境に合わせる」のではなく、「環境を子供に合わせる」ということです。
 
発達障害をもつお子さんの多くは、ある分野や環境において、とても素晴らしい力を発揮します。
近くにいる保護者をはじめとする大人は、どのような状況の時に力を発揮することができるのかを見極め、できる限りそういった環境を多く用意できるよう環境作りを行うことが大切なのです。
 

発達障害の子は失敗から学ぶことが難しい

 
前述したようなことをお話すると、「でも子供って失敗から学ぶでしょ。忍耐して失敗してそこから成長することも大事じゃないですか?」
というような質問を受けることがあります。
 
私の考えから言わせてもらうと、「失敗から学べる子もいる」と思います。
ただし、あくまでそれだけです。
全ての子が失敗から学べるとは思っていません。
 
むしろ、どちらかといえば成功体験から学べる子の方が多いと感じます。
そして、特に発達障害をもつお子さんの場合、失敗から学ぶことが難しいと感じています。
 
発達障害をもつお子さんは、何か失敗をしてしまったときに冷静に因果関係を分析して、それを教訓にするということが苦手です。だから思い通りにいかないことや失敗してしまったときに、パニックになったり攻撃的になったりしてしまうのです。
 
なので、「失敗から学ぶ」なんてことを考えず、できる限り「成功しやすい」環境を整えてあげることで成功体験を着実に積み重ね、「こうするとうまくいくんだ!」という実感をもたせてあげることが大切だと考えます。
 

学校でできる支援の環境作り

 
小学生のお子さんにとって、1日の中で最も長い時間を過ごすのが学校です。
つまり、それだけ支援の環境作りを行うことが重要な場所であるといえます。
 
現状、少しずつ発達障害に対する理解が進みつつあるとは感じますが、まだまだ対応には地域差、学校差が大きいと感じるのが正直なところです。
 
今回は、どの学校に提案しても、ある程度検討はしてもらえるような環境作りの工夫について紹介していきたいと思います。
 

クラスでできる環境整備

 

手持ち無沙汰な時間を減らす

 
担任の先生にお願いしやすいものとして、「手持ち無沙汰な時間を減らす」ということが一つ挙げられます。
「トラブルはやることがない時間に起きる」という言葉があるくらいですから、発達障害に限らずどの子にとっても、手持ち無沙汰な時間を減らすことは有効な手立てになるといえます。
(参考:トラブルは〇〇の時間に起きる!落ち着いて過ごせる一工夫とは?
 
担任の先生に伝える場合には、「うちの子は次の行動が分からなくなると落ち着かなくなったり違う行動をとったりしてしまうんです。何か課題をやる場合には、次の行動を具体的に示してもらうことはできませんか?」
というようにお願いするとよいでしょう。
 
これは担任の先生にとってそれほど負担になるものではなく、実践しやすいので保護者からしてもお願いしやすい内容だと思います。
 
これを行っただけでトラブルが激減した、という場合も多いのでまずは試してみる価値があると思います。
 

明確な役割を与える

 
次に考えられる支援は、〇〇係などで明確な役割を与えてあげることです。
役割を与える時には、お子さんの特性に合った係を任せてあげることが大切です。
 
例えば、ADHD傾向があり、じっとしているより動いていた方が落ち着いているような子の場合は、「特急配り係」などに任命して、授業中、様子を見てプリントを配る役割を与えたりノートの回収をさせたりするなど、動くことによって活躍できる仕事を任せるのがぴったりでしょう。
 
また、細かいことにこだわりいつも細部を気にしている自閉傾向のあるお子さんの場合、「〇〇掃除係」などに任命するのもよいでしょう。
 
いつも朝一番に教室に入らないと気が済まない子などの場合は、「電気係」などを任せるのも良いと思います。
 
いずれにせよ、その仕事を全うすることによって他の人たちの役に立つような仕事をマッチングしてあげることが大切です。
 
そうすることで、周りのクラスメイトや大人から感謝されるようになり、成功体験としてプラスの蓄積になっていきます。それが自己肯定感として自分を支える柱になっていくのです。
 
伝え方としては、「○○をしている方が落ち着くので、それを生かせるような仕事を任せてもらうことはできませんか?」などと担任の先生に伝えてみるとよいでしょう。
 

刺激を減らす

 
これもお願いしやすい支援に入ります。
クラスやお子さんにとっての刺激をできるだけ少なくなるように配慮してもらうのです。
 
発達障害をもつお子さんは、感覚過敏(あるいは感覚鈍麻)を有する場合が多く、情報を上手にに処理することができないことがあります。
 
すると、< b>自分が処理しきれない情報は刺激=雑音となって襲いかかってくるのです。
 
今までの学習が教室の壁一面に貼ってあって、一見すると素晴らしい学びの跡に見えるような空間は、< b>発達障害の子からすると四方八方からレーザービームを撃たれてるような感覚に近いです。
 
よく発達障害(特に自閉傾向)をもつ人は特異的な行動(空書き、何かを引っ掻く、揺れる、頭突きなどの行動)をすることがありますが、これは処理しきれない情報(刺激)から自分を守るためとも言われています。
 
刺激を減らすためにお願いしやすいのは座席の配置でしょう。
 
座席の一番後ろと一番前では刺激量が全く違います。
 
後ろからだと黒板を捉えるまでに前の子の動きや掲示物など様々なものが目に入ります。
 
それらは全て刺激として処理され、結果として学習に集中することが難しくなってしまうのです。
 
そうならないためにも、座席の位置を配慮してもらい、前の方で授業に集中できる環境を整えましょう。
 
私がおすすめしているのは< b>一番前の端っこの列です。
 
なぜ真ん中ではなく端っこかというと、端っこの方が目立たないからです。それでいて、お子さんにとっては刺激を減らすことができるからです。
 
何か落ち着かないことがあったり支援をしようとしたりする時に、最前列真ん中にいるとさすがに目立ちます。
 
端っこに座席を配置することで、ある程度騒いでも、他の児童の視界に自然に入ることはないですし、教員からしてもさり気ないフォローがしやすいです。
 
上記の点から、可能であれば一番前の端っこの席をおすすめします。
 
クラスの掲示物などに対しては、担任の先生にお願いすることはなかなか難しいでしょう。もしも、少しだけでも意見を伝えることができそうな場合は、教室前面(黒板の上など)の掲示物は極力減らしてもらうようにお願いするとよいでしょう。
 

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特別支援の力を活用する

 
続いての支援の方法として、特別支援を活用する方法があります。
 
特別支援というとマイナスなイメージがあるかもしれませんが、今はかなり広まりつつあり、ポジティブに捉えて利用されている方も多いです。
 
事実、特別支援の力を活用することで今までより大きく成長することができた子をたくさん見てきました。
 
お子さんの実態に応じて、必要な特別支援を考え活用すると良いでしょう。
 

通級を利用する

 
通級という制度をご存知でしょうか?
これは、基本的には普通のクラスに在籍していて、週に1回程度(厳密には週に8時間まで)、他の学校に行って勉強するというシステムです。
他の学校に行ったときには、気持ちの切り替え方やコミュニケーションのスキル、心理的な安定を図るなどの効果をねらって様々な活動に取り組みます。
※東京都は特別支援教室という制度で、他の学校に行くのではなく、特別支援教室の先生が自分の学校に来てくれる、という形での指導になります。
 
授業形態は個別と3~6人程度の小集団指導を組み合わせて行うことが多く、個別⇒小集団⇒クラスと段階を経て学習を進めていくことで、児童の力を伸ばすことができます。
 
コミュニケーションスキルや学習規律、友達との関わり方など、なかなか取り出して授業で教えることができないような内容を、少人数で丁寧に指導してくれるので、ぜひとも積極的に活用していってほしい支援です。
 
デメリットとしては、通級に行く分だけ授業が遅れてしまうので、そこのフォローをどのようにするか、担任の先生としっかり確認しておく必要があるでしょう。
 
もし通級に興味がある方は、お住まいの自治体の教育支援課または教育委員会、あるいは学校に問い合わせれば詳細を教えてくれると思います。
 
実際に利用する前には見学等もできるところが多いので、ぜひ検討してみてください。
 

医療機関と連携する

 
発達障害と診断を受けた後、親切な医療機関ではSTやOTなどの療育について話をしてくれるかもしれません。
 
療育では、言語聴覚士などの先生がソーシャルスキルや感覚統合など、お子様の発達を促す関わりをしてくれます。
 
療育機関によっては、教室のような形で全体に開いているところもありますので、診断を受けた医療機関に問い合わせてみてください。
 

地域の力を活用する

 
地域にはいろいろな習い事があると思います。
 
その中から、お子さんの興味や特性に合った習い事を見つけて、そこで自己発揮させることも大きなメリットがあります。
 
私がかつて関わっていたお子さんの例をご紹介します。
 
その子は当時小学5年生でADHDの診断を受けたお子さんでした。
落ち着きがなく、いつでもどこでもしゃべってしまう子で学校もお母さんも困っていました。
 
そんな時、お母さんが見つけたのが落語教室。
興味をもって行ってみると、まさにお子さんにぴったりだったのです。
 
それもそのはず。いつもならしゃべればしゃべるだけ怒られていたのに、落語教室ではしゃべればしゃべるだけほめてくれる。そして、みんなが笑ってくれる。
 
そのことに気分を良くしたお子さんは落語が大好きになり、落語教室を心のよりどころとしました。
落語教室は、小学生だけでなく、子供から定年後の方まで幅広い年齢の方が通っていました。
 
そうした異年齢の人とのかかわりを通して、自然と思いやりやコミュニケーションスキルが磨かれ、学校でも落ち着いて過ごせるようになりました。
 
今でも落語を続けていて、とても楽しく毎日を過ごしているという報告が届き、嬉しく感じています。
 
紹介した子のように、ドンピシャの習い事に出会えることはそれほど多くはないかもしれません。
ですが、お子さんと一緒にいろいろなことに挑戦してみることは貴重な財産になると思います。
 
また、習い事ではなく、最近は放課後デイも増えてきています。
 
中には発達障害の子を専門にしているところも多く、場所によっては大人気となっています。
こういったところでは、発達障害をもつ子の特性に合わせながら、ノビノビと過ごさせてくれることが多いようです。
 
こういった放課後デイに通うことを検討してみるのもいいかもしれませんね。
 

正しい知識を身に付ける

 
発達障害の子と適切に向き合うためには「正しい知識を身に付ける」ことがとても重要です。
 
発達障害は最近急激に認知されるようになってきていて、情報も錯綜しているのが正直なところです。
 
「発達障害はしつけのせいでなる」なんていうとんでもないことをいうネットメディアもありました。
 
ネットや人の思い込みなどによる情報に左右されず、根拠と意図をもってお子さんと接することで、日々の生活は劇的に良い方向へと向かっていきます。
 
そのためにも、保護者の方が正しい知識を身に付けることは必要不可欠なことなのです。
 

本から知識を身に付ける

 
体系的にまとめられた本は知識をつけるにはぴったりです。
また、図や絵などを多く使って、初心者の方でも分かりやすく解説してある本も多くあります。
 
ただし、気を付けなければならないのは、その本が信用するに値するかどうかを見極めることです。
特に、発達障害についてはどんどん情報が更新されていきますので、古すぎる本では時代遅れになってしまう可能性があります。
 
本を選ぶときのポイントとして、「初心者でも分かりやすい」「理論と実践の両方が述べられている」「読みやすい」の3つを意識するとよいでしょう。
 

初心者でも分かりやすい

 
発達障害というのはまだ解明されていない部分が多くあります。
それゆえに、やたら難しく書き連ねている本も時々見受けられます。
また、根拠に欠けるような内容の本を目にすることもあります。
 
初心者でも分かりやすいように図や絵を使ったり、具体的な事例などを交えて紹介してくれたりしている本を選ぶのがよいでしょう。
 
特に、本屋などで立ち読みできる場合には、自分のお子さんと近いケースについて載っているものを選ぶとよいです。
 

理論と実践の両方が述べられている

 
意外なほど、理論だけを小難しく並べていたり、根拠に欠ける実践を羅列していたりする本は多いです。
理論だけでは生活に役立ちません。
実践だけの本は、その場では即効性があるかもしれませんが、ちょっと違うパターンが出てきたときに応用が利きません。
 
まずは分かりやすい具体例(実践方法)を紹介していて、そのあとにその裏付けとなる根拠(理論)を示しているような本が理想的です。
 
そのような本を読んで知識を身に付けておくと、その本に載っていないようなイレギュラーなケースになった場合に、応用を利かせることができるようになるからです。
 
将来にわたって活用できる力が身に付くような本を選ぶようにしましょう。
 

読みやすい

 
これは実はかなり大事な要素です。
何よりも読みやすくないと読む気がしません。
 
文量(ページ数)、図や絵の多さ、文体などそれぞれに好みがあると思います。
自分に合ったもの、できればあっさり読めちゃったな、くらいのものから読み始めるのがおすすめです。
 
どんな本が読みやすいか分からない、という人はマンガやイラスト形式になってるものや、対話的に進んでいくような本から手に取り始めるといいでしょう。
 

おすすめの本

 
【発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ】
イラストと見やすい見出しでとても読みやすいです。
取り組むべきことが分かりやすく書いてあるので、すぐに実践することができます。
根拠となる理論についても分かりやすく示してくれているので、入門書として最適です。
 

 
 
【イラスト図解 発達障害の子どもの心と行動が分かる本】
この本は特に、発達障害の子の特性理解に役立ちます。
子供の行動の裏側にはこんな「困っている」が隠されているということが分かります。
表紙にも書いてある『「困らせる子ども」は「困っているこども」です。』という一文には、教育に関わる大人としてハッとさせられるものがあります。
 

 
 
上記の2冊から発達障害の入門を始め、更に深く学びたい方は自分に合った本を見つけていくといいでしょう。
運動や学習など、特定の分野について知りたいけどおすすめの本が分からない、という場合にはお問い合わせよりご連絡いただければ、状態に応じておすすめの本をご紹介させていただきます。
 

セミナー等に参加する

 
発達障害の理解や対応方法について、自治体や教育委員会等が主催でセミナーなどを行っています。
このセミナーの中には保護者が自由に参加できるものもあり、大学の教授なども講師として参加することがあるので、かなり深い学びを得られることがあります。
 
また、自分の家庭の悩みについて聞いてくれることもあるので、より具体的なアドバイスが欲しい方にもおすすめです。
 
気になる方は、「お住まいの自治体 発達障害 セミナー」で検索してみてください。
知らなかっただけで意外とたくさんのセミナーが開催されていると思います。
 

まとめ:これからが本当のスタートです!

 
お子さんが発達障害という診断を受け、突然のことにどうしたらいいのかわからない、というのが正直なところだと思います。
 
レッテルを貼られたような気分になる方もいるかもしれません。
 
ですが、発達障害と診断されることは終わりなのではなくスタートなのです。
 
これからお子さんの特性に合った支援や長所を見つけ出し、素敵な可能性を引き出そうというスタートラインに立ったのです。
目の前にあるのは絶望ではなく希望と可能性です。
 
何よりも、保護者の方がお子さんの可能性を感じ、信じてあげることが一番大切です。
子供は表現はしなくとも親の愛情やその他の感情を敏感に感じ取ります。
 
「家庭は心のガソリンスタンド」と言われます。
お子さんの心に栄養を与え、良さを引き出すためにどんなことができるかを考え、日々向き合ってあげてください。
最後に、保護者の方が無理しすぎないことも大切です。
何でも取り組もうと無理せず、できるところから始めてみてくださいね。
 
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