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知ってますか?発達障害の子にぴったりの言葉かけ

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「みんな席を移動して丸くなりましょう。」
 
私が教員をしていた頃、初めて発達障害をもつ子と出会った時にクラス全体に向けて伝えた言葉です。
 
この時の衝撃は今でもはっきりと覚えています。
 
他の子供達はイスを移動して丸く円になるように動いていました。
 
しかし、発達障害をもつ子(Aくん)は違いました。
 
なんと、その場でうずくまるようにして丸まっていたのです。
 
しかも、本人はいたって真面目な様子です。
私はそのことに驚き、 発達障害について学ぶようになりました。
 
今日は< b>発達障害を抱える子に伝わる言葉、伝わらない言葉を私の経験を基に、具体例を交えながらお伝えしていきます。
 

 

目次

伝わらない言葉

まずは発達障害の子に伝わらない、伝わりにくい言葉をご紹介していきます。
 
お子さんやクラスの児童になかなか話が伝わらないと感じている方のなかには、以下の言葉を多用してしまっている場合があります。
 
普段の自分を振り返りチェックしてみましょう。
 

比喩を用いた表現

比喩は「太陽のような笑顔」など、物事を分かりやすく伝えるために使われる例えです。
 
本来であれば、比喩を使うことで分かりやすく伝えることができるのですが、発達障害の子には比喩表現というのは非常に伝わりにくです。
 
例えば先ほどの例文の場合、「どういうこと?太陽は笑ってないけど」という具合に納得することができません。
 
この傾向は運動面(体育等)でよく見られます。
運動を指導する時にはよく比喩が使われます。
 
「鳥がはばたくようにジャンプしてごらん」
「猫のように動いてごらん」

など、イメージしやすくなるように伝えることがありますが、これらは逆効果になる可能性が高いです。
 
具体的な動きがイメージできず混乱するか、あるいは、猫の鳴き声や仕草までマネして本物の猫さながらに変身してしまうことが予想されます。
 
このように比喩から「いい塩梅」の調整をして自分に生かすことが難しいのです。
 
また、暗喩の場合は更に伝わりにくくなります。
 
暗喩とは「きみの笑顔は太陽だ」のように「〜のように」を使わず例える表現です。
 
実際には例えているニュアンスが含まれているのですが、発達障害の子には例えているということが分かりません。
 
なので、何を言っているの?僕は太陽じゃなくて人間だよ?」という具合になってしまうのです。
 
このように、例えを用いた表現は発達障害をもつ子にとっては伝わりにくいのです。
 
発達障害をもつ子に関わる大人は少しでも伝わるようにと尽力した結果、バリエーション豊かな比喩を用いて伝えていることがあります。
 
大変気の毒ですが、よかれと思ってやっている努力が完全に逆効果になってしまっているのです。
 
普段の表現に比喩は多くないか、一度振り返ってみましょう。
 

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言葉に裏の意味がある内容

 
「お風呂見てきて!」
このような言葉を子供に対して何気なく使うことは多いのではないでしょうか?
 
この言葉には、見てきて(ちょうどよい水量だったら止めてね)という裏の意味が含まれています。
 
発達障害をもつ子はこの言葉の裏側を読むことが苦手な場合が多いです。
 
結果として、お風呂場でお湯が流れてるのを見てきて、「見てきたよ!」と報告して、お風呂は溢れる、、、ということになってしまいます。
 
他にも、電話口で「お母さんいますか?」と聞かれたのに対して「います。」とだけ答えて一向に電話を変わろうとしなかったりする例などがあります。
 
前述した比喩の例のように、言葉の文字通りに受け取ってしまうところがあるので、含みのある言葉はうまく伝わらないのです。
 

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ちゃんと伝わる言葉かけ

ここからは、発達障害をもつ子に適切に意図を伝える方法についてご紹介します。
 
日々の関わりでこのポイントを意識してコミュニーケーションをとるようにしてみてください。
 

具体的な行動を含めて伝える

発達障害をもつ子は比喩など、裏の意味や含みがある言葉の理解が苦手です。
 
つまり、適切に伝えるためには全く逆のことをすればよいのです。
 
それはズバリ「超具体的に伝える」ということです。
 
お風呂の例を直すのであれば、
 
「お風呂を見てきて。」

「お風呂のお湯の量を見てきて。○○の高さまでお湯が溜まってたら蛇口を止めてね。
 
という具体的な行動を示してあげるのです。
 
そうすることで、子供は何をすればいいのかが明確になり、誤った理解から失敗せずに済みます。
 
電話についても、
 
「お母さんいますか?」

「お母さんは今お家にいますか?いたら電話を変わってください。
 
と伝えればよいのです。
 
子供に指示を出す時には、具体的な行動が含まれているかを意識するようにしましょう。
 

短く伝える

二つ目のポイントは短く伝えるということです。
 
目安としては、一文に具体的な行動が一つが良いでしょう。
 
例えば、「お風呂を見てきて○○の高さまで溜まってたら止めてね。」という言葉の中には具体的な行動が2つありますね。
 
このように2つ以上の行動が含まれていると、頭の中で混乱したり、前の行動が抜けてしまったりします。
 
すると、お風呂の水が溜まってないのに止めてしまうなんていうことが起こってしまうのです。
 
伝える時は多少短すぎるくらいかな、というところで区切った伝えると良いでしょう。
 

まとめ:短く、具体的に!!

具体例を挙げて説明してきましたが、ポイントとしては「短く伝えること」「具体的に伝えること」を意識してもらえれば良いでしょう。
 
この2つのことを意識するだけで劇的に行動が改善した例もありますので、ぜひ試してみてください。
 
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