指導技術

「A」させたいなら「B」と言え

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「子供が言うことを聞かない!」

「全然指示が伝わらない!」

多かれ少なかれ、お母さんが共通してもつ悩みではないでしょうか?

今日は、その悩みの手助けになる話題です。

 

「AさせたいならBと言え」

突然ですが、みなさんはこの言葉を知っていますか?

これは、ある有名な教育書のタイトルです。

 

教育関係者でこの本を知らない人はいないでしょう。

(もしも知らなかったらかなりマズイですよ・・・)

 

保護者の方でこの本をご存知の方がいたら、かなりの勉強家ですね。頭が下がります。

 

この本には、子供の力を引き出すエッセンスがたくさん詰まっています。

今日は、その内容も紹介しながら、子供と上手に関わっていく方法を紹介していきます。

目次

「AさせたいならBと言え」とは?

本書の中で具体的な例として示されている場面があります。

 

それは、キャンプで洗い物をしている時のこと。

子供たちの力では鍋を上手に洗うことができず、ただタワシで撫でているだけ。

汚れが落ち切っていませんでした。

 

母親たちは「もっとしっかり洗いなさい」とか、「もっと早く洗いなさい」と声をかけますが、一向に変化が見られません。

段々と母親たちも苛立ち、「時間がないから」とせかしますが、それでも変わらず。

 

その時、著者は「AさせたいならBと言え」のテクニックを使ったのです。

 

「お鍋を、ゴシゴシ洗う音が、ここまで聞こえてくるように洗ってごらん。」

 

この、たった一言で手の動きが三倍くらい速くなり、おしゃべり声が数秒でたわしの音に変化したというのです。

 

「させたいことを直接言ってはダメ」ということです。

 

子供の知的好奇心を高め、意欲と善さを引き出すには、「AさせたいならBと言う」ことが大切なのです。

 

家庭でどう生かすか?

知りたいのは普段の家での生活でどのように活用できるか、ということですよね。

 

ここでは、私がかかわったケースを紹介しましょう。

 

いつも家の中を走り回ってお母さんを困らせていたN君。

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マンションなので、下の階にもその足音が響き渡り、住人から苦情がきたこともあるそうです。

 

お母さんは毎回「走るのをやめなさい!」と怒鳴りつけますが、10秒後にはまた元通り。

最初にお話を伺った時には疲れ切っていました。

 

そこで、「AさせたいならBと言え」を使ったのです。

ある日、N君がいつものように走り回っていると、お母さんはこう言いました。

 

「家の中では、忍者になってごらん。」

 

すると、N君はその言葉を聞いた途端、ピタリと走るのをやめて、静かに歩くようになったのです。

 

忍者になる=忍び足をするということ。

N君は忍者が大好きだったので、この言葉がピッタリ当てはまり、それ以来、家の中をドタドタと走り回ることはなくなったそうです。

 

”よさ”を引き出すことを意識する

「AさせたいならBと言え」を上手にできるようにするためには、”よさ”を引き出すことを意識することが大切です。

 

「Aしなさい」と直接言ってはいけないので、最初はどう言うべきか迷うことでしょう。

 

どうやったら”よい姿”が実現するかな、と考えて言葉を生み出すことが必要なのです。

 

最初はうまくできなくても構いません。

何度も繰り返しやっていくうちに、段々と「Bと言う」能力が身に付いてきます。

 

親も子も「経験」を通して学んでいくのですから、いろいろな伝え方でチャレンジしてみましょう。

 

ポイントは、子供の知的な心に火をつけ、よさを引き出す言葉は何かを探ることです。

 

 

更に詳しい内容な他の事例も知りたい方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。

教師はもちろん、家庭でも役に立つ内容がギッシリと詰まっていますよ。

 

本書では、「AさせたいならBと言え」の原則を用いた事例が100も紹介されています。

1989年に初版が発行され、今なお重版出来され続けている名著です。

 

あとがき

最近、我が家の近くをよく焼き芋の移動販売車が通るようになりました。

ちょうど、この記事を書いている時も・・・。

 

しかし、この移動販売車、なぜか猛烈なイルミネーション装飾がされているのです。

煌々と輝くネオンライトと昔ながらの「いしや~きいも!」の融合に何ともいえぬ気分になります(苦笑)

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退勤定時マン@とき
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【定時退勤と授業力・教員のQOL向上を実現させるブログ】教師に特化したお金の話や教育に関する情報を発信していきます。定時退勤は目的ではなく手段。豊かな教員ライフの第一歩を踏み出しましょう!ICT活用や働き方改革、学級経営、授業改善から資産運用まで、教師に関わる情報を幅広く取り上げています。

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