給食のお残し禁止の意味と適切な給食指導について考えてみた

目安時間:約 15分

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みなさんこんにちは。

いつもご覧いただきありがとうございます。

 

今日は、昔からある悪しき(?)伝統、「給食を完食するまで居残り」について考えていきたいと思います。

 

なぜかこれ、いつの時代もなくならないですよね。

果たして、給食完食に教育的意義はあるのか、そこに隠された教師の思いは何なのか、そして子どもの心はどうなるのか、検証していきます!

 

 

結論:給食を無理やり完食させることに意味はない!

いきなり結論です(笑)

はっきり言って、今の時代であれば、給食を無理やり完食させることには全くと言っていいほど意味はありません。

 

昼休みも外に遊びにもいかせずずっと給食を食べさせている先生がいたら、今すぐやめた方がよいです。

お子さんがいつまでも給食居残りさせられているお母さんがいたら、すぐに学校にやめてもらうようにお願いしましょう。

 

以下に、この結論に至った理由を紹介していきます。

 

理由1:給食で全ての栄養を補う必要はない

そもそも、学校給食というのは貧しい子供たちにご飯を食べさせてあげるために始まった制度です。

昔は現代ほど食料が豊富になく、満足に食べられなかった子供たちがたくさんいました。

そんな子供たちにとって、学校給食は貴重な栄養源だったのです。

 

しかし、現代ではどうでしょうか。

確かに、貴重な栄養源であることには間違いありません。

ただ、学校給食以外でも栄養を補うことは十分に可能になっています。

 

具体的な食品で例を挙げましょう。

学校給食といえば「牛乳」ですね。

 

牛乳は、かつては貴重なカルシウム源とされてきましたが、現代では牛乳以外にもチーズなどの乳製品、魚介類、大豆製品など、カルシウムが含まれた食品は身近にたくさんあり、手軽に摂取することができます。

 

つまり、吐きそうになるのを我慢して、大嫌いな牛乳を飲む必要など全くといっていいほどないのです。

むしろ、そんなに精神的ダメージを負いながら食事をする方がよっぽどマイナスになります。

 

確かに、学校給食は栄養バランスの整った食事が提供されています。

しかし、中には嫌いなもの、量がたくさん食べられないものもあるでしょう。

 

それを無理やり食べる必要はないのです。

食べられないことによって摂取できなかった栄養素を、他の食事で補えばよいのです。

 

昔のように、給食一食だけで全ての栄養素を摂取しようという発想でいると、「お残し禁止」の苦しい食事になってしまいます。

一日トータルで栄養を摂取する視点で食事を考えるようにしましょう。

 

理由2:大量に食べる必要がない

理由1と若干かぶる内容になりますが、現代において、1日のうちに給食一食だけしか食べないという家庭はごくごく少数です。

 

ほとんどの家庭は、1日2~3食を食べていますから、お昼の給食だけで、お腹をパンパンに満たす必要はありません。

 

時々、「配膳された給食は減らすの禁止!少な目も禁止!」と運動部の学生もびっくりのお残し禁止先生に出会うことがありますが、はっきり言って時代遅れです。

 

確かに給食は児童期に必要な栄養を補うのに大きな手助けをしてくれます。

しかし、だからといって無理してまで食べる必要はありません。

 

参考までに、8~11歳の男子の場合、1日に必要なエネルギー量は2200~2500kcal程度といわれています。

女子の場合は、2000~2400kcal程度です。

 

給食は一食大体600~800kcal程度ですから、極端に多く盛る必要はなく、普通の量を食べ切れればまずはそれで十分です。

 

なぜ給食のお残し禁止が発生するのか?

ここまで理由を述べてきましたが、実は特別なことは何も言っていません。

ごくごく当たり前のことを確認したまでです。

 

では、なぜ給食のお残し禁止が発生するのでしょうか?

今度は、お残し禁止を主張する側の意見を取り上げてみます。

 

減らすのは不公平だから・ずるいから

はっきり言って意味不明です。

減らすのはずるいからダメ理論です。

読者の方はこんなことが本当に起こっているのかと信じがたいかもしれませんが、事実この2018年にも、未だにそのようなルールで給食指導をしているクラスはあります。

 

保護者が支払ってくれている給食費に対して食べないともったいない、というのならまだ分かりますが・・・。

 

どうやら、この謎のルールの裏には、給食を減らしたのにおかわりをするのはずるい、という意味が込められているようです。

 

確かに、嫌いなものを極端に減らしてあっという間に完食し、好きなものだけおかわりする、というのは一見すると不公平な感じがしなくもないですね。

 

この辺りは、クラスの子供たちと話し合ってルールを明確に決めることが大切でしょう。

例えば、「量を減らすだけならおかわりOKだけど、全く食べないおかずがある場合はおかわりNG」などのように誰がどう見ても分かるルール作りをするのです。

 

そもそも、自分の適切な量を判断して食べられる、ということが大切という教育も必要でしょう。

もちろん、その上でたくさん食べられる児童は素晴らしいと思いますが。

 

もったいない、という気持ちが薄れるから

これも感情論ですね。

残すのはもったいないから無理してでも全部食べなさい、という論理のようです。

 

そうなるくらいなら、始めから自分の食べられる量に調整すれば済む話ではないでしょうか?

そして、他に食べられる子がいるなら、その子におかわりしてもらえば、クラス全体での残飯量は大きく減るはずです。

結果として、一番もったいなくない方法だと思うのですが、なかなか個人に責任を押し付けてしまうという状況が改善されない現実があります。

 

クラスで生活しているのですから、もう少し視野を広げてみるといいのではないかと思います。

 

食育の観点から

食育の観点から、給食は全部食べるようにしなければダメだ!という声があります。

 

確かに、給食にはたくさんの工夫が込められていて、各地方の郷土料理や季節に合わせた料理などを出してくれて本当に素晴らしいと思います。

 

ただ、それと完食とを結びつけるのは全く筋違いではないでしょうか。

郷土料理や季節に合わせた料理を、自分の食べられる量で楽しむ。

これこそ立派な食育ではないかと思います。

 

むしろ、せっかくの素晴らしい給食なのに、無理して食べさせることで郷土料理や季節の料理を嫌いになられては元も子もありません。

 

頑固なお残し禁止によって、食を楽しむことができなくなる児童が増えてしまうことを危惧してしまいます。

 

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適切な給食指導とは?

では、適切な給食指導とは一体どのようなものなのでしょうか?

いくつかのポイントに絞って、良い給食指導について考えたいと思います。

 

食を楽しめる児童を育てる

食は目の前の料理の味を通して人と関われる素晴らしいものだと思います。

また、おいしいものを食べることは、それ自体が喜びにもなります。

よく、「おいしいものを食べると元気がでる!」といいますよね。

食には、文字通りの栄養だけでなく、心の栄養を補給する効果もあるのです。

 

そういったことを、給食を通して感じられるようにしましょう。

普段なかなか口にすることのできない料理が出た時には、それにまつわるエピソードを紹介したり、味をいろいろな言葉で表現したりしながら食を楽しむのです。

 

グルメになることは大人にだけ許されたものではありません。

子供同士が、今の自分の表現できる言葉で食について意見を交わすことは、将来豊かな食生活を送るための基盤となります。

 

ぜひ、食について積極的に話すようなはたらきかけをしてください。

 

自分の食べられる適切な量を知る

いわゆる腹八分目を感じられるようにしましょう。

大人でも、自分の食べられる量が分からず無理をして食べて体を壊す人がいます。

 

そうならないために、満腹までいかず、かといって物足りなさで苦しむこともない、適切な量を学ぶのです。

そのためには、「いただきます」で食事がスタートした後に、「調整タイム」を設けるとよいでしょう。

 

自分には多いと思ったら減らしたり、逆に少ないと思ったら減らしたりする時間を設けるのです。

体調によっても食べられる量は変わってくるでしょう。

毎日、自分で適量になるように調整することで、自分に合った食事の量というのを知ることができます。

 

これは将来大人になった時にも、食べ過ぎによる肥満や拒食症などを防ぐ効果があり、非常に役立ちます。

ぜひとも、小学校の間に身に付けさせてほしい力です。

 

嫌いなものは無理して食べなくてよい

よほどのことがない限り(格闘家など体作りが収入に直結する仕事でない限り)嫌いなものを無理して食べる大人はいません。

 

また、今の時代、嫌いなものを数種類食べなかったからといって、栄養が致命的に欠乏することはありません。

他に、いくらでも代用できるのものがあります。

それよりも、嫌いなものを無理して食べる苦痛の方がよっぽどダメージが大きいです。

 

なので、給食に嫌いで食べられないものが出た場合には、減らすこと(あるいは全く食べないこと)を認めてあげましょう。

 

子供は大人が思ってるよりずっと敏感でグルメです。

少しの味の違いが気に入らなかったり、舌触りや食感が気に入らなかったりするだけで嫌いになるものです。

無理に食べさせる必要は全くありません。

 

ただし、食わず嫌いの場合は、子供とよく相談して決めるようにしましょう。

「食べたことないけど食べてみたらおいしかった。」というのは豊かな食の入口でもあります。

どうしても嫌いな食べ物と見た目が似ているから・・・など理由が説明させる場合は無理させることはありませんが、何となく・・・という場合には、まず教師や親がおいしそうに食べる姿を見せて、勇気を引き出してあげるといいでしょう。

 

また、学校で特定のものを全く食べないという好き嫌いがある場合は、学校と家庭でよく連携を図るようにしましょう。

例えば、牛乳を全く飲まない場合、カルシウムが不足傾向になります。

その分を家庭で補うことができるよう、連絡帳や面談で共通認識をもっておくことが大切です。

 

たくさん食べる子、好き嫌いなく食べる子はほめる

あまり食べられない子を責める暇があったら、たくさん食べる子や好き嫌いなく食べる子をほめるようにしましょう。

食べられないことは悪いことではないということを大前提にしつつも、たくさん食べられることや好き嫌いなく食べられることは良いこと、という視点が大切です。

 

できないからマイナスなのではなく、できたらプラス、できなくてもフラットでいいのです。

 

そうすることで、無駄に児童の自己肯定感や自尊心を傷つけることなく、食の楽しみを奪うこともありません。

 

食べるのが得意な子は、自信をもって生活できるようになりますし、一石二鳥です。

 

まとめ:給食の目的をはき違えないことが大切!!

現代における学校給食の役割について、学校給食法の第二条に以下のように示されています。

 

(学校給食の目標)
第二条 学校給食を実施するに当たつては、義務教育諸学校における教育の目的を実現するために、次に掲げる目標が達成されるよう努めなければならない。
 
一 適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること。
二 日常生活における食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を培い、及び望ましい食習慣を養うこと。
三 学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うこと。
四 食生活が自然の恩恵の上に成り立つものであることについての理解を深め、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
五 食生活が食にかかわる人々の様々な活動に支えられていることについての理解を深め、勤労を重んずる態度を養うこと。
六 我が国や各地域の優れた伝統的な食文化についての理解を深めること。
七 食料の生産、流通及び消費について、正しい理解に導くこと。
 
様々な指導を通して上記の目標を達成するようにするのが学校給食です。
決して、「残さず食べる」ことが正義ではありません。
 
量を減らしたとしても、上記に書かれている目標を達成することはできますし、嫌いなものを無理して食べなくても目標を達成することはできます。
 
今一度、本当の目的は何なのか、を冷静に振り返ってみてください。
 
果たして、お残し禁止にして無理矢理食べさせることで得られる教育的効果はあるのでしょうか。
私はないと思います。
 
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