
2年生になって大きな山となるのが「かけ算九九」です。
今現在2年生のお子さんをもつ保護者の方は、そろそろやってくる「九九」にドキドキしている方も多いのではないでしょうか?
学校によっては、2年生全員が九九を暗記できるよう、校長や担任が九九暗唱テストを実施しているところもあります。
これは、モチベーションになりますが、場合によってはプレッシャーになる場合もあるので、一長一短といったところでしょうか。
もしも学校側で実施するのであれば、実施の方法やフォローの仕方を十分に検討する必要があると思います。
さて、今日は2年生にとっての大きな山である「九九」を乗り越えるための方法をご紹介します!
後半には、九九の計算が視覚的に理解できる「ビジュアル九九表」のデータも載せてます。
自由に使っていただいて大丈夫なので、よろしければぜひ参考にしてみてください。
目次
個人に合った九九の覚え方を使おう!
まず初めに、覚えやすい方法や覚える能力については個人差があることを押さえておいてください。
九九と言えば、九九の計算が羅列された表を順番に読んだり九九カードをめくってひたすら繰り返したり・・・という方法が大半ですが、必ずしもその方法が覚えやすい、という子ばかりではありません。
子供によって視覚優位だったり同時優位だったりと差がありますので、そのあたりを意識しておかないと、無駄な労力を割くことになります。
お母さんも担任も子供もみんな一生懸命なのに一向に覚えられない・・・なんていう悲しい結末にならないよう、個人の特性を捉え、覚え方をマッチングさせる、という意識を忘れずにもってくださいね!
視覚優位や同時優位など、個人の特性に関することについては、以下の記事をご参照ください。(別窓で開きます)
継次処理か同時処理か?今までの学習方法は無意味だった!?徹底解説!
覚え方1:反復で覚える
これはいわゆる学校で広く行われている方法です。
何度も反復を繰り返し、短期記憶から長期記憶へと変えていく方法です。
この方法が向いているお子さんは、「毎日決まった時間に同じことができる」お子さんです。
この方法では、1日あたりそれほどたくさんの時間を確保する必要はありません。
毎日1~2周もすれば十分ですので、時間にすると5~10分程度です。
しかし、毎日やらないと効果が期待できません。
この毎日できるかどうか、がカギになります。
九九反復の一番の壁は「面白くない」ということです。
面白くないのでなかなか長続きしません。
なので、「毎日決まった時間に同じことができる」お子さんに向いているのです。
ちなみに、「決まった時間に」というのは必須条件ではありませんが、習慣化するには決まった時間に行うことが非常に有効であると言われています。
なので、できれば決まった時間に行うことをおすすめしています。
使いやすいカードや表を用意する。
この方法で覚える場合には、九九カードや表を使って暗記をすることがおすすめです。
その場合、準備が面倒でなく、すぐ始められるということを基準に、カードや表を選ぶとよいでしょう。
毎日継続するためには、とにもかくにも「続けやすい」ことが一番大切です。
九九の勉強を始めるのに2~3分も準備がかかるようではやる気が削がれます。
はじめよう、と思ったら1分以内にはじめられるようなものがいいです。
ちなみに、時々答えを隠して反復練習をしているお子さんを見かけますが、基本的には答えは隠さなくてよいと思います。
とにかく反復には「スピード感」と「手軽さ」が大事です。
答えを隠すことによって悩む時間が生まれ、次に進むまで止まってしまうくらいなら、答えを出しておきどんどん次に進む方がよっぽど良いです。
目先の1回で覚えるのではなく、毎日の積み重ねで覚えるという意識が大切です。
以下の九九カードは大きさも大きくて見やすい、アナログですぐに始めることができるのでおすすめです。
反復の意欲付けをする
お子さんが九九の反復練習を毎日楽しみで仕方ない、と思っているなら全然問題ないのですが、そうでない場合は継続することが結構大変です。
そのような場合に備えて、反復するための意欲付けをするのも工夫の一つです。
おすすめの方法は”ポイント制”です。
カレンダーとシールを用意して、九九練習をした日にシールを貼るようにします。
シール1つにつき1ポイントとして、1ヵ月(30ポイント)分溜まるとご褒美がもらえる、という意欲付けをします。
外発的動機付けなので、素晴らしい方法であるとは言えませんが、子供のモチベーションをあげるためには有効な方法です。
ちなみにポイント制でご褒美をあげる場合は「形の残らないもの」にしてください。
例えば、大好きなご飯やデザート、あるいはサービス(テーマパークや映画など)などがおすすめです。
形が残るもの(おもちゃなど)にしてしまうと、2回目以降、前の時よりも「いいご褒美」にならないとモチベーションが上がらなくなるので、どんどん要求がエスカレートして崩壊してしまいます。
この点にだけ注意して実施するようにしてください。
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覚え方2:歌で覚える
2つ目の方法は「歌で覚える」方法です。
聴覚優位な子はもちろん、そうでなくても歌が大好きな子におすすめです。
リズムにのることが好きなお子さんはこの方法ですぐ覚えられる場合もあります。
歌というものがもつ力は素晴らしく、無意識に聞いていても「頭から離れない」という経験は誰もがしたことがあると思います。
その力を使って、九九を歌にして覚えることで、覚えやすくするのです。
この方法の良いところは、「歌の力を使って自然に覚えられること」と、「楽しく覚えられる」ことです。
子供はリズミカルな歌が大好きです。
好きなお笑い芸人などでも、圧倒的にリズム芸をする芸人が上位に来ます。
暇な時間や移動時間などに九九の歌を流しておくことで、無理やり覚えるのではなく、楽しく自然に覚えることができるようになります。
最近は、キャラクター系なども含めてかなりいろいろな種類の歌が出ていますので、お子さんの好みに合わせて選ばれると良いと思います。
覚え方3:動画で覚える
2つ目の「歌で覚える」と似ていますが、更に視覚的な情報を取り入れた方法です。
基本的には「歌+映像」の構成になっているものが多いので、2つ目の方法に情報が追加されたと考えてください。
この方法は、歌だけではなかなか覚えられない、あるいは視覚優位なお子さんに有効な方法です。
動画ですので、集中しながらも楽しく見ることができて、九九が覚えやすくなります。
ただし、この方法では、動画を見ている時間はそれに集中することになるので、かかった時間に対して得られる効果はそれほど大きくはないかもしれません。
あくまで補助的な役割として利用するのがよいかと思います。
覚え方4:ゲームで覚える
ゲームで覚える方法の良いところは何と言っても「楽しいところ」です。
楽しいと夢中になり、夢中になると学習効率が上がります。
ゲームが好きな子にはおすすめの方法でしょう。
アナログゲームで覚える
ゲームにはアナログとデジタルがあります。
アナログの良いところはゲーム性が高いところ、九九以外の副次的な効果(コミュニケーションや思考力等)を期待できるところ、身体の操作(指等の動き)を伴うところです。
ゲーム性が高いことや、ゲームのバリエーションが豊富にあることで、自分に合ったゲームを見つけやすく、夢中で楽しむことができます。
また、アナログゲームは対戦型や協力型のものが多く、ゲームを通して九九の学習以外の副次的な学び(相手との接し方や九九以外の計算力、思考力等)を得ることができます。
そして、アナログゲームでは実際にカードやボードなどを操作する身体性が伴います。
記憶する時には、身体の動きが伴った方が定着が良いので、そういった意味でもアナログゲームに期待できる効果は高いです。
【くくまる】
リバーシと6目並べと九九の計算力を必要とするゲームです。
難しそうに見えますが、ルールは単純です。
リバーシ(オセロ)などのボードゲームが好きな子にはぴったりのゲームです。
【エリートかけ算マスター】
九九が書かれているボードのマスを指で押すと、マスが浮き上がり答えが読めます。
押すと飛び出る面白さがあるので、楽しく学習することができます。
少し値段が高いのがマイナスポイントですね。
【算数ゲームブック】
九九に限らず、四則計算や分数、時間距離速さなど、子供がつまずきやすい学習内容について、すごろくやビンゴなどのゲームで楽しみながら身に付けられるように工夫してあります。
本自体がゲームのフィールドになるので、若干使いにくいのと、最初の道具の準備(切り取って組み立てる等)が少し面倒ですが、内容は楽しく素晴らしいと思います。
デジタルゲーム(アプリ)で覚える
最近は何でもアプリでできる時代です。
九九についてもかなりたくさんのアプリが出ています。
シンプルな反復系のアプリからゲーム性の高いクエスト形式のものまでかなりの種類があります。
ここでは紹介しきれないので、お持ちのスマートフォンのアプリストアで「九九」と検索して、お好みのものをインストールしてみてください。
無料でも、十分に学習に役立つものが見つかると思います。
九九がビジュアルで分かる!!補助資料
最後に、九九の計算が視覚的に理解できる九九表をご紹介します。
私の自作ですが、ご自由に使っていただいて結構です。
2年生のお子さんには、印刷後、ラミネートして下敷きとして使ってもらうことも多いです。
この表は、目で見て数量が増えていく感じが一目でわかるところがポイントです。
マス目を薄く残していて、実際の数を確認することもできます。
今回は、答えが書いてあるフルバージョンと色と答えのないマス目バージョン、そして、テストにも使える白紙バージョンの3種類をご紹介しますので、用途に合わせて、お好きなものを選んで使ってください。
九九表(色フルバージョン)
色、マス目、答えが入ったフルバージョンです。
お風呂に貼る、下敷きとして使うなど、よく目に入るところに置いておくと効果的です。
また、九九が苦手なお子さんに個別で指導する場合にも使えます。
視覚優位な子やイメージ的思考が得意なお子さんにぴったりです。
九九表(フル)(PDF)
九九表(マス目バージョン)
マス目のみのバージョンです。
練習として書き込んだり、色を塗らせて学習したりすることができます。
特に色塗りは身体的な操作を伴うので、目と手の両方から情報を統合することができ、効果的に学習することができます。
九九表(白紙バージョン)
外枠のみの白紙バージョンです。
九九を覚えたかのテストとして使うこともできます。
最もシンプルなので、個人で使いやすいようにカスタムしていただくこともできます。
効率の良い方法で楽しく九九を覚えよう!
「努力は苦労するもの」という考えはこれからの時代は古いと思っています。
楽しみながら努力できて、更に身に付くのが一番です。
一人一人得意な方法は違います。
お子さんに合った方法を見つけて実践してみてください。
また、補助教材を使われた際には、感想や要望等もいただけると、私も次に生かすことができますので大変うれしく思います。
どうぞよろしくお願い致します。
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